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■五城目町の伝説■
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●弥五郎稲荷 |
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五城目がまだ五十目(いそめ)と呼ばれていたころ、鍼を得意とする医者のところに、ある夜更けに若い女が現れ、「急病人です。まげてご来診を」と頼まれ、駕籠に乗せられた。 やがておろされたところは、村のはずれの暗い森の中に楼閣があって、その奥に通されると1人の老人が床に臥していた。 医者がさっそく脈をはかると、袖口から異様なにおいがただよい、手首の骨組みも人間のものとは違っている。「これは魔物だ」と気付いた医者は、毒薬をとりだして鍼に含ませ、胸の深いつぼに刺して帰った。 翌朝、鵜ノ木森の洞穴で、灰色の老狐が血を吐いて死んでいるのが見つかった。 この老狐の正体は弥五郎という雄狐で、森山坊ヶ沢の坊子という雌狐と恋仲であったのだが、弥五郎が病気になったので、人間に化けて病を救おうとしたのである。ところが、それが逆に殺されてしまったとあって、坊子狐の呪いは深く、医者の家はまもなく全滅し、五十目にも凶事が相次いだ。村人達は坊子の呪いを恐れて、祠を建てて弥五郎の霊を弔ったのが、今に残る弥五郎稲荷である。 (『秋田の伝説』(角川書店)より(以下角川)) |
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「狐のお産」が基本のようだが、医者が狐の正体に気付いて殺してしまうという話になっており、笑い話の要素は低い。 20年ほど前、神社のすぐそばの中央交通が社屋を拡張するために、この稲荷様を移転しようと決まった晩、社長宅のニワトリが3羽首をかみ切られて死んでいたため、移転は中止になったのだという話もある。 そのおかげか、現在も稲荷様はバスの駅前に祀られている。さらに、これは実際訪れたときに気付いたのだが、おもしろいことに社殿前の地面になにやら動物が歩いた足跡がついている。おそらく、コンクリートが固まる前に、猫か狐が歩いた跡なのだろうが、思わず伝説の狐のことを頭に浮かべずにはいられない。
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●森山 |
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五城目町の入り口の左手にある森山は町のシンボルであると同時に、鈴虫の名所としても知られている。 馬場目にも森山があってこれが姉で、五城目のは妹であったが、妹の方が美しかった。姉はこれをねたんで巨石を投げたが及ばず、ふもとに落ちてしまった。姉は口惜しさに泣いたところ、その涙が現在の馬場目川になったという。 のちにふもとが田んぼになったとき、村人が邪魔な巨石を取り除いて捨てても、翌朝には同じところに戻るため、不動の石、石竜明神として祀るようになり、現在に至っている。(角川) |
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山争いの伝説。山の神さまというのは自由奔放で、なんとも人間臭いものである。 |
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●十三騎神社 |
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神明神社境内にある十三騎神社は、安東実季に攻められ追われてきた花巻城主北弾正以下十三騎が、割腹して果てたのを祀ったという。町に返事があると、どこからともなく馬につける鈴の音が鳴り響いてくると伝えられる。 |
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