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■鹿角市の伝説■



●錦木塚

  

■その1

 昔、狭布の里を治める狭布(さな)の大海の娘、政子という美しい姫がいた。この姫に想いを寄せる1人の若者があったが、そのころこの地方では、恋をした男は女の門口に錦木を立て、この錦木が女の手で家の中に入れられると恋が成就するという風習があった。

  若者は毎晩のように10キロあまりの道を通い、政子姫の門口に錦木を立てたが、父は身分にこだわってその仲を許さなかった。若者は満願成就を目前にした999日目に病の床について命を断ったが、これを伝え聞いた姫も悲しみにくれ、間もなくこの世を去った。

  父は2人の命を掛けた恋に目覚め、若者と政子姫の以外に錦木を添えて葬ったのが今に残る錦木塚であるという。

(『秋田の伝説』(角川書店)より(以下角川))

■その2

 むかし、鹿角の東方にある五の宮岳に大鷲が棲んでいて、里の子供をさらっていくのであった。村人は恐れおののいていたが、あるとき旅の坊さんがやってきて、鳥の毛を混ぜた着物を着ていればさらわれなくなることを教えてくれた。

 鳥の毛を混ぜた着物など、そうそう織れるものではない。政子姫のところに方々からこの着物をつくってくれという依頼が届き、姫も里人の嘆きをなくすため、3年3月もの間観音様に祈りながら織物を織り続けた。

 そんなことは露もしらず姫と心を通わす若者は錦木を立て続けたが、ついに千日目に雪に埋もれ帰らぬ人となった。姫も悲しみにくれ2、3日後にこの世を去ったのだった。

 父はこの2人をあわれに思い、千束の錦木とともに2人を葬ったのが今の錦木塚であるという。

(『秋田の伝説』(日本標準)より(以下標準))

 世阿弥「錦木」などで世に知られる非常に有名な歌枕の地。十和田南駅からすぐのところにある。このサイトの色には合わないが、せっかくなのでとりあげてみた。

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鹿角市十和田錦木。駅前に整備されている。


錦木塚。


●八郎太郎生誕地

 三湖伝説の主人公の1人、八郎太郎の生誕地が鹿角にある。東北の伝説探訪においてぜひともおさえておきたいポイントだ。伝説の内容については青森県十和田湖町をどうぞ。

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鹿角市十和田草木。ここの道路沿いにある。わからなくなったら地元の人に聞こう。


「八郎太郎誕生之地」の碑。


●皮投岳

 

 鹿角地方がいちばん早く開かれたのは、柴平地区であるという。

 昔、今の岩手県から来た2人のマタギが、ある晩妻が化石になった夢を同時に見た。しかも、その化石は「長く鳥獣を殺生していては化石になる。早く弓矢を投げて家に帰るべし」と言うのであった。

 翌日、2人が眼下を眺め、川筋に豊かな土地が広がっているのを見て、「マタギをやめて田畑をつくろう」と約束し、持っていた熊の皮を投げて家に帰り、妻子を連れてきて開墾にとりかかった。
  その地は柴が生い茂っていたので柴平と名づけ、鏡のような川のほとりが鏡田で、ここが開拓の中心であったという。また、2人のマタギが熊の皮を投げたところが川投岳であったという。(角川)


●尾去沢鉱山

 

 その昔、この辺りに大怪鳥が出現して人々の生活を苦しめていた。
  ところがある日、この怪鳥が岩に突き当たって死んでしまった。村人がその怪鳥を探し当てて腹の中を裂いてみると、そこに金銀があふれていたので、その近くを掘って鉱山を発見したのだという。そして、怪鳥が死んだときに赤沢川の水が朱に染まったのだという。(角川)

 なんかアイヌ的でおもしろい伝説。怪鳥フリーを思い起こさせる。

●夜明島の天狗

 

 夜明島川の上流に夜明島渓谷があり、そのさらに奥深くに天狗が住んでいたという。
  八幡平に住む大石太右衛門という強力無双の郷士が滝の化身である夜明島の天狗を説き伏せて、天狗の秘術を修得したのだという。(角川)



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