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■田舎館村の伝説■

●蜘蛛の藤

 

 駅のすぐ裏手に神明宮があり、境内に繁茂した老木に藤つるがたくさんまつわりついて、昔は藤の森であった。 このつるは境内の森の主、大蜘蛛の巣が変化した蜘蛛の藤であったと伝える。妖怪の蜘蛛を退治してから、藤は自然と少なくなってしまったというのである。
(『青森の伝説』(角川書店)より(以下角川))

 弘南鉄道弘南線田舎館駅は、村の中心部ではあるが、小さくのどかな地方駅である。駅舎から出るとすぐに神明宮がある。
 昔はうっそうとした藤の森であったとのことだが、今では明るい普通の神社。確かに社殿の裏には今でも不気味に渦を巻いた藤が見られるが、まさか主の蜘蛛が棲んでいるような雰囲気は全くない。
 角川の『青森の伝説』では蜘蛛退治の経緯が語られていないが、果たしてどうなっているのだろうか。

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mapion
南津軽郡田舎館村高樋。確かこれだったと思う。いずれにせよ、実際に見てみればわかるだろう。


神明宮の本殿と裏手の藤。


●グズ盛

 
 堂野前の墓地は、昔グズ盛といわれた3メートルほどの土盛であった。ここを夜中に通ると、いつもグズグズものを言う声がする。そばへ行くとその声がやみ、立ち去るとまたグズグズ言う。それでグズ盛と呼んだ。
 明治になって新道開通のためここを発掘すると、朽ちた武具と、それを着ていたと思われる人骨が現れたという。 (角川)


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