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鮫と相馬の殿様  
 

 ある年のこと、相馬の殿様が、江戸より相馬に帰る途中、関田の松川のあたりで、大きなが悠々と泳いでいるのを見つけました。殿様は、日ごろの矢の腕をためす機会と、矢をつがえてヒョウと放ちますと、その矢は見事にに命中しました。は、たちまち海の中に沈み、その姿はようとして見えなくなってしまいました。

 殿様は首をかしげ、馬を進めて鮫川に来て、川を渡っていましたところ、下流の方から白波をたて、迫ってくるものが見えました。目を凝らしてみると、それは頭に矢を刺されたあのではありませんか。は、すさまじい形相で殿様にせまり、これにたまげた殿様は、馬を走らせ、間一髪、これをかわすことができたのでした。

 ほっとした殿様はそのまま進み、泉、平を通って鮫川より北8里ばかりの夏井川を渡ろうとしたとき、あの大鮫は、一足先に待ち構えていたのでしょうか、激しい波しぶきを上げて、再び迫ってきました。

 殿様の馬は、名の知れた相馬の駿馬です。殿様は、必至になって馬に鞭打って、やっとの思いで岸にたどりつくことができたのでした。しかし、馬も疲れ果て、とうとう、川岸に倒れて息絶えてしまいました。

 今も、夏井川のかたわらに馬頭観世音の塔がありますが、これは、馬の霊をまつったものであると言われています。

参考 『なこその民話』

   
   松川浦の鮫に関する伝説。相馬藩17代利胤のことと伝わる。この殿様は、紫肝をもっていて、それで鮫に狙われたという話もある。
 

馬頭観世音の碑。



あたりは、こんな感じ。
ホントに見つけずらい。


   
  mapion
いわき市平塩。大きな通りのかたすみにポツンと立っている。向かいの熊野神社・満願虚空蔵を目印に。

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