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おぼ抱き地蔵 
 

 烏帽子小屋の墓所近辺で、昔は時々おぼ抱き幽霊か出て、赤子を抱かせられたものだという。「ほんとのお化けおぼ子ならよいが、魔物がついている場合もあるから、おぼ子頼まれたら背中を抱け。ノドに魔物か飛びかからないように」といわれている。

 それで、死産の女の産子抱きが墓地から外へと出ないように、烏帽子では葬送を終わるとすぐに墓所の橘を外しておいた。

 ところが今は、コンクリート橋となったので、常に厳重なクサリを掛けておく。そして、幼な子の哀れなみ魂を慰めていただくために「おぽだき地蔵」かまつられている。

参考 『猪苗代町史』

   
   さてこの話、いわゆるウブメの話であるが、「ほんとのお化けおぼ子ならよいが、魔物がついている場合もあるから、おぼ子頼まれたら背中を抱け。ノドに魔物が飛びかからないように」というイワレはなんとも面白い。「お化けおぼ子」と「魔物」を区別しているのである。「お化けおぼ子」とは死産した赤子の霊で、それとは別に、赤子の霊を装って命を狙う魔物がいる可能性があるということだろうか。となると、おぼ抱き幽霊そのものには害はないということにもなるだろう。もっとも、一般のウブメの話では、ずんずん重くなる赤子に耐え続けることによって富や力を得たりする。烏帽子小屋のおぼ抱き幽霊は、ともすればノドをかみ切られかねない、スリリングな試練なのであった。(2006.03.28)
 

地蔵がある一角の様子。

おぼ抱き地蔵。
 

墓場にはクサリがかかっている。

   
  mapion
猪苗代町長田。たしかここだったかと思う。あるいは右か左へ1、2本ずれるかもしれない。
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