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火伏せ地蔵
 

 普賢寺境内に、高さ2メートルもある地蔵さまが祀られている。カネでできているので、金仏地蔵と呼ばれている。仲町の堀に埋まっていたのを掘り出したというが、もとは仲町の地蔵通りというところに立っていたそうである。

 ある年、仲町から火が出た。夜中のことで気付かないでいたら、「火事だ家事だ」と大声で走り回る者がいる。その声で飛び起きた人々が慌てて火を消しとめ、大事にならずに済んだのだった。

 後になって、あの声の主はだれかと探したが、それがまったくわからない。そのうち地蔵通りに鎮座している地蔵さまの足がひどく汚れているのに気が付いた。さてはあの声はこの地蔵さまだったのかということになり、それ以来「火伏せ地蔵」というようになったのだという。

参考 『小野町史』

   
 

 人々を火災から救ったお地蔵さまのお話。各地に伝わる普遍的な伝説だ。「火事だ火事だ」という声の主が不動さまだったり仏さまだったりと、いろいろなバリエーションもある。

 地蔵の足が汚れていたのは、近所で火事さわぎがあったのだから当然であり、なおかつ風雨にさらされている地蔵は多かれ少なかれ汚れているものである。「火事だ」と実際に叫んだ人物は、通りすがりの人間だったか、火事の中で死んでしまったか、話題が大きくなりすぎて恥ずかしくて名乗れなかったかなどの理由ででてこなかっただけで、当然人間が叫んだに違いない・・・などと井上円了さんなら分析しそうなところだが、まあ、あんまり冷静に推理してもね(^^;

 さてさて、町の一角にあるお寺の階段を登って山門をくぐると、ちょっとした公園になっており、町の様子が一望できる。なかなか良いロケーションだ。火伏せ地蔵は、本堂に向かって右側、「火伏せ地蔵」と大きく書かれて立っているので、すぐにわかるだろう。

 

普賢寺。右手前が地蔵堂。


火伏せ地蔵。確かにカネでできている。

   
  mapion
小野町小野新町。この地図にはお寺が載っていないが、役場から滝根へ向かう細い県道沿いに寺の入り口がある。

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