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斉藤のカッパ淵 
 

 銀漁淵のさらに下流、斉藤上の湯の下にカッパ淵と呼ばれる淵がある。昔は大木が覆いかぶさり、藤つるが水面近くまで下がっているところであった。

 ある時、村人が馬の腹まで川に浸して洗っていたところ、後ろで音がするので振り向くと、カッパが馬の尾につかまっていた。村人は静かに馬を川原に近づかせ、いま1歩のところでむちを当てて馬を跳ね上がらせると、カッパも一緒に川原に上がってしまった。

 カッパは陸に上がると子どもほどの力もないので、手足をくくりつけられて身動きもできず、助けを求めても聞き入れられなかった。そこに別の村人が来て、あまりにかわいそうなので「毎年この淵で1人は死んでいるので、今後水難のないように人間を守ること」を約束させ、助けてやることになった。

 カッパは下の湯の川瀬に大きな石を立て、「増水してこの石が見えなくなったら、川に入らないで下さい」と叫んで淵の中へ泳いでいった。 それから水難事故はなくなった。カッパの立てた石は、流れが変わり今はない。

参考 『三春町史』

   
   斉藤上の湯は、地元の人に愛される湯治場。カッパ淵について聞くために訪ねたときも、お風呂入りを終えたお年寄りでにぎわっていた。その上の湯の目の前、大滝根川が大きくカーブしているところがカッパ淵である。今では広々としていてカッパが現れるような不気味な雰囲気はないが、やはりこういうカーブの場所は、流れが複雑になって水難も多かったのだろう。それにしても、せっかくカッパが立ててくれた石がなくなってしまったのは残念だ。
 

カッパ淵。大雨の後で濁ってます。

   
  mapion
三春町斉藤。ここに斉藤上の湯があり、その目の前がカッパ淵。
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