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松橋のイボ清水
 

 松橋にイボ清水と呼ばれる清水がある。チリ紙を清水に浸しイボにつけて傍らの古木に打ちつけ、後ろを見ずに帰るとイボが取れるといわれて、今でも訪れる人が多い。ここには次のような伝説がある。

 三春城主秋田盛季の姫君がどうしたことか手の甲に多くのイボができて困り果てていた。ある夜姫君は「城から丑寅の方角半里のところに清水があり、それをつけるとイボが消えた」という夢を見た。
さっそく近侍に調べさせたところ、はたして清水があり、姫の手をその清水に浸したら、幾日もなくイボが消えた。それからこの清水はイボ清水と呼ばれ、藩内はもちろん、二本松領からもこの霊水を訪れる人が多かった。藩主は清水の傍らに祠を建ててお祀りした。

 また別の話も伝えられている。
昔、行者が現れ、里人に次のようなお告げをしたのだという。 「妾は疣清水なるぞ。妾の言うことをよく聞け、妾はものすごい醜女に生まれ育ち、世間の人に嘲られて、切ない悲しい思いをしたので、世の人に同じ憂き目を見させたくないとこの清水の精になった者である。疣とは体にできるものばかりではないぞよ、心配事も心の疣なるぞ、この清水で洗えば全ての疣が取れるぞよ」と。

参考 『三春町史』

   
   三春駅から磐越東線沿いに東へ数分。松橋のはしっこのあたりに「イボ清水」のカンバンがある。民家のわきをとおり、道なき道を少し歩くと、山陰に鳥居が見える。これがいぼ清水である。清水は、木の根元から水がじわじわと湧き出ているだけでそれをためておくような池もなく、自然にまかせて水が流れ、木のまわりもビタビタになっている。
 その木を見てみると、なんだか白いカタマリがピタピタくっついていて、虫の繭か何かかと思ったら、それがなんと水に浸したティッシュのカタマリ。上記の伝説中にあるチリ紙のおまじないが、今でも行われているようである。
 

いぼ清水の様子。
木の下の方にティッシュがくっついている。



木の根元の様子。
清水がじわじわと湧き出ているようだ。


   
  mapion
三春町松橋。この道沿いに「いぼ清水」の看板がある。民家の私道を入っていくことになるので、もし人がいれば一言断ろう。

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