旧江戸街道から入る雁木田の八幡神社境内に、苔むした一対の石灯籠があり、「寛文七年八月十五日施主大久保清八下総国結城の住」の刻銘がある。
古くから生糸は三春の特産で、遠く関東からも商人が買い付けに来ていた。秋の日は暮れるのが早く、鷹巣村を過ぎると辺りはすっかり暗くなってしまった。
ひと山越せば三春だと寂しい山道を急ぐ清八の前に突然大男が立ちふさがり、「金を出せ」とおどされ、持参金全部を投げ出して命ばかりはと手を合わせているところに、供2人を連れた乗馬の武士が通り合わせたので、大男はあわてて姿を消してしまった。
事情を聞いた武士は清八をいたわりながら同行し、並松阪の所で武士は自分の屋敷を問われるままに教えて別れた。
翌日清八がお礼のために武士の屋敷を訪れると、屋敷はなく、六地蔵とお堂があり、近くに八幡神社があった。清八は、これは八幡様のご加護であったと悟り、翌年一対の石灯籠を献上したのである。
参考 『三春町史』