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おとめ桜  
 

 現在白河駅北側にある小峰城は、結城親朝の築城であるが、近世初期に転封してきた丹羽長重が改修を行った。
 その改修の際、本丸の石垣が築くそばから崩壊し、まったく工事がすすまないという有様であった。そこで乙女を人柱に立てることとなり、それには、その日の最初に入城する者をあてることとした。

 やがて一人の乙女がやってくる。しかし、その娘はこの工事に従っていた藩士和知平左衛門(半三郎とも)の娘「おとめ」であった。驚いた平左衛門は、「来るな、来るな」と手で合図をした。しかし、それを見たおとめは、自分が招かれているものと勘違いをして城内に入ってしまう。

 どうすることもできぬまま、おとめはそのまま地中に埋められ、そのおかげで工事ははかどり、まもなく竣工をみるにいたった。やがて人柱をたてた辺りに一本の桜が生え、花を咲かせるようになった。人々はこれをおとめ桜と呼んで、娘を偲んだのだという。

参考『福島の伝説』(角川書店)

   
   桜が咲いている間になんとしても写真を撮らねば…!という決心を固め、時間が無い中行くことになった。
 小峰城は現在公園になっており、「城跡といえば桜」というセオリーに漏れず、桜満開で非常に美しい。ポカポカ陽気の中、子連れのファミリーがお弁当を食べている。目指すおとめ桜は本丸の見晴らしの良い場所に立っていたが、まわりの桜と比べるとひとまわり小さく、こじんまりとしたものだった。
 それにしても、この「人柱制度」ってのも、実在したかどうかはあやしいところだが、もしそうだったとすれば悲しくもむごいものである。
 

桜満開の小峰城。


おとめ桜とおとめの墓。

   
  mapion
白河市小峰城の中。城跡の北側、川を望む高台にある。

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