現在白河駅北側にある小峰城は、結城親朝の築城であるが、近世初期に転封してきた丹羽長重が改修を行った。
その改修の際、本丸の石垣が築くそばから崩壊し、まったく工事がすすまないという有様であった。そこで乙女を人柱に立てることとなり、それには、その日の最初に入城する者をあてることとした。
やがて一人の乙女がやってくる。しかし、その娘はこの工事に従っていた藩士和知平左衛門(半三郎とも)の娘「おとめ」であった。驚いた平左衛門は、「来るな、来るな」と手で合図をした。しかし、それを見たおとめは、自分が招かれているものと勘違いをして城内に入ってしまう。
どうすることもできぬまま、おとめはそのまま地中に埋められ、そのおかげで工事ははかどり、まもなく竣工をみるにいたった。やがて人柱をたてた辺りに一本の桜が生え、花を咲かせるようになった。人々はこれをおとめ桜と呼んで、娘を偲んだのだという。
参考『福島の伝説』(角川書店)