甲子道の奥に、樹齢300年を越すと思われる双幹の桂がある。昔、ここに鬼神があらわれ、路行く人々を苦しめた。これを聞いた時の城主松平定信は、剣をもってこの桂の木に鬼神を封じ込めたのだという。
後年、この木は剣桂と呼ばれ、神霊の依代として人々の厚い信仰を集めた。
参考 『西郷村史』
さて、伝説の内容を見てみると霊木に鬼神を封じ込めたという単純なもので、どちらかというと中世的な雰囲気の漂う物語であるが、松平定信の名が出てくるのが少し不思議ではある。 松平定信といえば幕府でも豪腕をふるった白河の名君で、人々の記憶に残りやすく、このような伝説とも結びつきやすいといえばそうなのだが・・・。 あるいは、定信の時代にこの辺りで悪事を働いていた山賊のような存在を定信が取り締まったという事実と、古来からの伝説が結びついてできたものか。