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ボッチ石のおよし狐 
 

 むかしむかし、暑い夏も終わり気候のよい秋祭りの頃になると、西山の墓地石山に住む年頃の美女狐オヨシは双の平の創徳寺の裏山に住む創徳狐と米山薬師に住む与次郎狐を呼んで毎年にぎやかにお祭りをしていた。
 祭りのご馳走を食べ、酒に酔ってくると「墓地石オヨシ、米山与次郎、双の平創徳さん来ないうちゃ、ねっから調子がそろわねえ、シッチョイサア、シッチョイサア」と囃しながら踊ったという。

 こんな祭りを繰り返すうち、オヨシ狐と美男狐の与次郎狐は恋仲となり、大塩の狐石に住む長太郎狐の仲人で結婚することになった。
オヨシの嫁入りの祝儀には、地元の人々をはじめ大勢の人たちが招待を受けた。このころはこのような狐の祝儀に人間が呼ばれることがよくあり、大変喜んで呼ばれて行ったという。
はるばる米山から婿狐がお嫁さんを貰いにやってきて、高砂のめでたい謡もうたわれ、呼ばれた人も唄や踊りで夜遅くまでにぎやかにお祝いをしていた。

 ところが、日中は良い天気だったのに、夜中になって急に強い雨が降ってきた。およばれの客は大急ぎでお祝いの包みを貰い傘を借りて家に帰った。
雨がやみ、夜が明けてからおよばれの包みをひろげてみると、その中には木の実や草の葉がたくさん入っており、また昨夜の雨で借りてきた傘は、朴の木の大きな葉だったのだという。

参考 『鮫川村史』

   
 

 この地区に名の知れたおよし狐の世間話。ちなみに双の平、米山はともに棚倉町の地名、大塩は鮫川村の地名である。

 西山の入り組んだ道を奥へ奥へと進んでいくと、その名のとおり墓石が斜面にならんだ「墓地石山公園」(地元の人は「ボッチ石」と呼んでいた)というところへたどり着く。
現役の墓地ではあるのだが、遊歩道などが整備された公園になっている。なんだか微妙な雰囲気・・・というのはさておき、公園内にはおよし狐があらわれたという「およし松」や「およし井戸」、由来はわからないが「風の三郎石」なるものなどがあり、高台に上れば景色も楽しめるという、なかなか面白いスポットである。全部巡ると結構歩くことになるし、アスレチックも並んでいるので、なまった体を動かしにでも行ってみたらどうでしょう(^^

 

墓地石山の入り口付近。


およし松。

 

高台からの眺め。

およし井戸。
   
  mapion
鮫川村西山。地図上ではかなり山奥にありそうだが、実際は車で普通に行けるのでご安心を。
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