久慈川の上流、白子川と合流するところに、蟹内というところがある。
むかし、この村では川から沢蟹をとって食べていたが、それが続いてとうとう沢蟹の姿が見られなくなった。その恨みだろうか、毎晩巨大な蟹の化物が現れ村人を殺すという事件が起こり、人々は恐怖した。
そこへ八溝の奥から椎名監物という屈強な男がやってきた。村人は監物に大蟹退治を依頼し、監物もこれを快く引き受けた。
あくる夜、監物は流れの上手に櫓を立て、現れた大蟹を渾身の一矢で射抜き、見事これを退治した。
それから大蟹は現れなくなり、この地を蟹打または蟹打澤と呼んでいたのを、蟹内(ガニウチ)と呼ぶようになったという。
参考 『ふるさとコミック棚倉のむかし話』(棚倉町ふるさと興し会)