前九年の役のとき、義家に従ってきた鎌倉権五郎景政がこの地の賊徒を征伐し、多田野神社に御霊として祀られた。 ところが賊徒の怨霊がその後里人に崇り、冷風や雨がしきりに襲って五穀が実らなくなってしまった。困り果てた里人は相談して景政の御霊を多田野神社から奉じて、峠の頂上近くにある櫃の形をした大石の上に鎮座を願った。 するとこの祈りが通じて冷風雨はおさまり、五穀は豊かに実った。それ以来、里人はこの石を御霊櫃石とあがめ、峠を御霊櫃峠と呼ぶようになったという。
参考 『郡山の伝説』(郡山市教育委員会)
多田野神社を中心にこの地方一帯には義家・景政の伝説が色濃く伝えられています。 御霊櫃峠は中通りと会津をつなぐ峠のひとつで、舗装はされていますが道幅は狭く、比較的険しい部類。多田野から峠を登っていくと、つづら折にどんどん高度が増し、景色が美しくなっていきます。頂上の少し手前、小さな駐車場があるところに御霊櫃石があって、その偉容を残しています。 さらに登って峠の頂上にはやはり駐車場があり、ここから北の額取山(やはり義家伝説がある)へ入山することができるので、天気の良い日などはハイカーでにぎわいます。 ここで車を止めて、少しだけ山を登ってみましょう。ガレた石場で足元は悪いですが、すぐに第一のピークにたどりつき、風神雷神の祠があって、東に郡山市街地、西に猪苗代湖という、ものすごく良い展望を得ることができます。さらに北を見ると額取山へ続く稜線伝いの道も見られ、壮大です。気軽に登山気分が味わえますので、是非どうぞ。 (07-07-01)
御霊櫃石。
峠より郡山市街地方面。
峠頂上の風神社・雷神社。
多田野神社。