螺良岡から福永へ向かう県道の中間、左側の田畑に囲まれた小さなお宮があるが、これを通称「螺の宮」といい次のような話が残っている。
昔この村の人が田地を開墾していたところ土の中に岩のようなものがあり、それが鍬先で破られて白い水が流れ出したので、怪しんでよく見ると大きなタニシだったということである。
それから村の人たちはこのタニシを祀って祠を建て、それ以来タニシをとったり食べたりせずに今に至っている。
お宮の側に螺池という池があり、炎天にもかれず、タニシを放してお祈りすると眼病が治ると言い伝えられている。ある若者が「池が大分汚れている。これではタニシがかわいそうだ」と池の水をくみ出して底に沈んでいる腐った泥をさらってやろうとしたところが、まだ水を干しきらないうちに急に池の中に倒れこんで死んでしまった。「これはタニシの祟りにちがいねぇ」と、その後誰1人として池の水を干そうとする者はいなかったという。
なお、螺良岡という名もここから呼ぶようになったという。
参考 『会津本郷町史』『会津の伝説』(会津民俗研究会編、S18)