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松前家十三代道広の世、京の花山院常雅の娘、初姫がはるばる蝦夷地まで道広の嫁にやってくることになった。 ある日、銀狐のうちの1匹が、「わたしはもう京へ帰り、ことの次第を九条稲荷に報告してきます。あとは十字銀狐にまかせます。」と姫に言い残すと、松前を去っていった。 1匹になった十字銀狐は、蝦夷の広い野を駆け巡るのを楽しみとしていた。ある時、つやのある赤い毛を持った雌の狐に出会った。2匹は出会った瞬間に恋に落ち、それからというものは、毎日のように2匹仲良く野山を駆け巡っていたのだった。 そうこうしているうちに、猟師達の間で、十字銀狐の噂がひろまっていた。猟師達は、なんとかこの珍しい狐を捕らえて殿様に献上できないかと、十字銀狐を探し回っていた。 十字銀狐はさっそく殿様に献上され、皮は殿様のものとなり、肉は家臣の中津源兵衛にあたえられた。 殿様は驚いて修験者を呼び占わせたところ、すべての事情が判明した。そこで殿様はさっそく城内に祠をたて、十字銀狐を丁寧に祀ったのだった。 |
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◆またたびの独り言◆ 道南の松前に伝わる和人伝説。北海道でこのような純粋な和人伝説が見られるのは、やはり道南地方に限られてくる。 |
![]() 熊野神社の社殿。 |
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