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■泣く木■

 岩見沢から栗山町へ入る道のそばに、昔、赤ダモ(ニレ)の木があった。昭和6年にこの道ができたとき、このからシクシクとなく声がするという噂がひろまり、幽霊を見たという話もあった。

 明治23年、室蘭本線の敷設工事の際、強制労働者として働かされていたのがタコと呼ばれる人々だった。タコの労働は壮絶きわまり、死ぬ者も多く、死体はすべてこのタモの木の根元に埋められていたのだという。

 ある時、津軽から1人の娘がだまされてこの現場に連れてこられた。多くの男たちの中のたった1人の女であったから、彼らにもてあそばれるようになり、とうとう娘は死んでしまおうと決心した。

 夜中に逃げ出した娘は、導かれるようにタモの木のもとへ走り、つらかったことや苦しかったことを洗いざらい話した。すべてを話した後、娘にはタモの木がまるでお爺さんのように感じられ、大きなの枝の1本に縄をかけると、さっぱりとした気分で静かに死んでいったのだった。

 昭和6年の道路工事の時、この木が工事の邪魔になり、切られることになった。しかし、その根元に斧を入れたとたん、斧が折れ、刃が人夫の頭にあたり、人夫は死んでしまった。その後もこのを切ろうとした者は、死んだり病気になったりしたのだという。

 昭和45年、ある若者が伝説を馬鹿にして、このをチェーンソーで切り倒してしまった。そして立派な舗装道路が完成したが、どういうわけかこのがあった辺りでは、重傷や即死の交通事故が多いのだという。また、を切った若者はその後病気になったとか、大ケガをしたという噂である。

参考 『ほっかいどうむかしあったとさ〜道央編』


◆またたびの独り言◆

 数多くの伝説を持つタモの木の話。ただし、伝説というよりは世間話に近いだろうか。

 木から泣く声が聞こえる、開拓期に労働者が埋められ、娘が自殺した、木を切ると祟りがあった…などなど、怪談の宝庫である。木に起こる怪現象と、開拓期の残酷話に因果関係を感じながら噂が広まっていったのだろう。


 木があったという場所は、道路のすぐそばの高台にあり、大型車の交通量が多く、それなりに危険な場所ではある。必然的に事故も多いであろうと予想された。
 その場所には現在、ひっそりと記念碑が建てられていて、お供え物もいくつかあった。こういった史跡(?)の少ない北海道にあっては、なかなか珍しい。よほど大きな噂だったのだろうか。

 歴史のある伝説地と、現代のいわゆる心霊スポットの、ちょうど中間のような場所であると感じた。・・・と、思っていたのだが、検索をかけてみると、なんと、フジテレビの「アンビリーバボー」で放映されたことがあるようだ(笑)。やっぱり怪奇スポット扱いなのね・・・(;_;)


「泣く木跡」の碑。

これは面白い。
プラスチック製の犬小屋を、
小祠がわりにしているのである。

★関連伝説地★

●祟る木

鬼子坂の桜
 (宮城県蔵王町)

★関連リンク★

フジテレビホームページ
「奇跡体験!アンビリーバボー」のページにて、過去放映分のダイジェストを読むことができる。写真もあり。この伝説が放映されたのは、2000年6月15日。

★アクセス★

栗山の町から岩見沢へ向かって走ると、栗沢町へ入る手前、国道の右手の高台の上に碑がある。みつけずらいので注意して走ろう。数100メートル手前に伝説を記した看板があるので、それを目印に。


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