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龍泉洞・龍の昇天■

 その昔、宇霊羅山のふもとからシューッ、シューッという異様な音が聞こえ始めた。無気味な音は7日7晩鳴り続けた。
 8日目、大音声とともに山のふもとに穴が開いた。穴から大きなが出てきて、驚く村人を前に天高く上っていった。
 が出てきた岩穴は、ほらとなって美しい泉が湧き出るようになり、岩泉の里を潤した。人々はその洞窟を「湧窟(わっくつ)」と呼んだ。

参考『岩手の伝説を歩く』(岩手日報社)より

■龍泉洞・アズミとニーロン■

 大昔、鍾乳洞の奥のほうに隠れ里があって、26戸の人たちがひっそりと暮らしていた。
 ところが田村麻呂将軍に追われた蝦夷が、この山に砦を築いたので、平和な里も安穏ではなくなった。隠れ里の人たちも、乱入者と戦うこととなった。
 しかもこの争いの影で、里の男アズミと、蝦夷の酋長の娘ニーロンとの間に、恋の花が咲いたのだった。

 戦いが始まると、隠れ里の人々は全山に火を放ち、蝦夷を火攻めにすることとなった。宇霊羅山は、火の海と化し燃え盛った。
 そして戦いの終末。ニーロンは、アズミの名を呼びながら、山の湖に入水し、アズミもまた、そのあとを追って自刃したのだという。

参考 『岩手の伝説』(角川書店)より


◆またたびの独り言◆

 秋吉洞や阿武隈洞などと並んで、日本の代表的な鍾乳洞のひとつである龍泉洞。岩泉町にそびえる宇霊羅山の麓に、ぱっくりと口を開けている。今回は、その鍾乳洞にまつわる伝説2話を紹介した。

 1話目はさておき、2話目は、話もドラマのようで面白いし、田村麻呂が登場したり、蝦夷の個人名として「ニーロン」という名前が出てきたりと、興味深いものがある。妙にできすぎていて、創作っぽい気がしないでもないのだが。
 ただ、「宇霊羅」というのはアイヌ語からきており、また1話目に出てくる龍泉洞の別名「湧窟(わっくつ)」も、なんとなくアイヌ語っぽい響きなので、この洞窟と蝦夷には何らかの関係があるのかもしれない。

 さて、肝心の龍泉洞だが、見学する際に、あれこれと考える必要は全く無い。伝説のことなどは忘れてしまって、その神秘の世界に酔いしれよう。とにかくすごい。特に圧巻なのが、水深ウン十メートルという(詳しくは忘れた^^;)地底湖。透明度が高いために、すごく深いところまで透き通って見え、じっと見ているとすいこまれそうになるのだ。ぜひとも味わってもらいたい。


龍泉洞の内部。
イマイチよくわからない写真。

地蔵岩という奇岩。
ホント、こんなものしか写真がない(^^;
洞窟内の撮影は難しい・・・。

★関連伝説地★

特になし

★関連リンク★

岩手県岩泉町
   龍泉洞のホームページ

ここで龍泉洞のきれいな写真をおがもう。

★アクセス★


岩泉町岩泉。言わずと知れた観光地なので、迷うことはない。


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