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ポーポーさま   
 

 昔、本吉町林の沢にポーポーさまという人が住んでいた。ポーポーさまはよそ者で、ある吹雪の晩に、寒さで病気になり、この地に一軒の宿を求められてから、住みつくようになったという。

 村人はポーポーさまが小さいころ天狗にでもさらわれた人だろうということで、あたたかく迎えた。ポーポーさまはこの地方の言葉がわからなかったということであるが、魔法のようなものを使うことで評判であった。病人があるとそこへおもむき、痛いところをやさしくなでて「ポーポー」と生きを吹きかけると、不思議にも治ったのだという。

 ポーポーさまは村人と仲良く暮らし、林の沢で一生を終えた。村人はポーポーさまの墓を建て、病気のときは墓へ行って、治るようにお願いしたのだという。そして、今でも痛いところに「ポーポー」と息を吹きかけ、さすってやる習慣があるが、これはポーポーさまのおまじないだと言われている。

参考 『本吉町史』

   
   なかなかリアリティのある話である。というのも、ポーポーさまは落ち延びたキリシタン宣教師だという説があるのだ。林の沢とは別の地方でも、キリシタン宣教師が十字をきりながら「マメチヨ、コメチヨ、ポーポー」とおまじないをしたという話が残っているのだという。
 それにしても、言葉がわからない人を見て「昔天狗にでもさらわれた人なんだろう」と結論付ける村人たち。なんて民俗学的世界なんだ。
 

ポーポーさまの墓。

こんな木の下に墓がある。
   
  mapion
本吉町林の沢。なんとも説明しずらい、なんにもないところに墓があった。上の写真も頼りにして探してみて欲しい。
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