昔、本吉町林の沢にポーポーさまという人が住んでいた。ポーポーさまはよそ者で、ある吹雪の晩に、寒さで病気になり、この地に一軒の宿を求められてから、住みつくようになったという。
村人はポーポーさまが小さいころ天狗にでもさらわれた人だろうということで、あたたかく迎えた。ポーポーさまはこの地方の言葉がわからなかったということであるが、魔法のようなものを使うことで評判であった。病人があるとそこへおもむき、痛いところをやさしくなでて「ポーポー」と生きを吹きかけると、不思議にも治ったのだという。
ポーポーさまは村人と仲良く暮らし、林の沢で一生を終えた。村人はポーポーさまの墓を建て、病気のときは墓へ行って、治るようにお願いしたのだという。そして、今でも痛いところに「ポーポー」と息を吹きかけ、さすってやる習慣があるが、これはポーポーさまのおまじないだと言われている。
参考 『本吉町史』