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熊野さま
 

 天文の頃、最上氏の家臣に今野文五郎という者がいた。文五郎は故あって一家離散になり、妻をつれて宮城の国分を目指していたが、道に迷って深い山に入ってしまった。
 日が暮れたのでしかたなくそこら辺りで横になって眠ったのだが、夜中になって目が覚めると妻がいない。驚いて探し回ったが見つからず、夜が白み始めた。

  文五郎は山中をさまよい、とある洞中に入ると、なんと妻が血にまみれて死んでいる。それを見た文五郎は、仇を討とうと「賊どもめ、すぐに出てこい」と叫んだが何の応答も無い。
 しばらくすると洞中が震動し始め、一匹の怪物が飛んできて文五郎を飲み込もうとした。怪物は赤面で両目が輝きあたかも猿鬼のようであった。文五郎は震え上がり、今まさに怪物の餌食になろうとする瞬間、忽然として一匹の熊があらわれ、一撃の下に怪物を殺した。

 文五郎は常に紀州熊野権現を信仰し、お守りを肌身はなさず持っていたので、その霊験であろうということだった。
 里人はその神徳を仰ぎ、祠をたて信仰したのが今の往生寺の熊野神社であるという。

参考 『色麻町史』

   
   なんとも迫力のあるアツイ話。少年漫画のノリである。「あたかも猿鬼のようであった」とあるが、その猿鬼ってのが不明なんだが・・・(笑)。

 さてさて、ここではなんと、生まれて初めて、疑惑の写真を撮ってしまった。お堂を写真に撮ってみたら、なにやらもくもくと煙のようなものが一面に…。デジカメの画面でそれを見たときは、思わず背筋が凍りついた。「うわ!エ、エクトプラズム!?」しかもそこは、だ〜れもいない、シーンと静まり返った小山の中だったのだ…。

 しかし、それはどうやら「自分の息」だったということが判明。この日は寒かったのだ。後から写真をもう一度チェックしてみたら、同じような煙が三枚くらい写っていた。

 そもそも、雪が積もって誰も歩いた形跡の無い階段を、雪をかきわけながら登り、靴やらズボンのすそも凍りついちゃって大変であった。下りはその階段を滑り降りて楽しかったんだが(笑)。
 


熊野神社鳥居。


疑惑のお堂の写真。
ものすごい煙である。


雪に埋もれた階段。


雪に埋もれた墓場。
  

   
  mapion
色麻町王城寺。ややわかりずらいかもしれないが、地図を頼りに行ってみよう。熊野神社は往生寺のわきから登る。
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