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田子谷カッパ明神  
 

 陸奥の豪族藤原秀郷の馬屋に、虎吉という男が仕えていた。
 虎吉は働き者で、秀郷にかわいがられていたのだが、あるときふとしたことからカッパの正体がわかられてしまったので、虎吉は暇をもらって主家を出ることにした。そのとき、主人も別れを惜しみ、持仏の十一面観音を与えた。

 虎吉は住み慣れた平泉を後にして、諸所を歩き継ぎ、真山の田子谷の沼のほとりにたどり着いた。
虎吉カッパはここが気に入ったらしく、ついに腰をすえて永住の地と定めた。

 やがて虎吉には大勢の子ガッパが生まれた。月夜になると沼の土手に上がって、相撲をとったり綱引きをしたりして遊んでいる風景が、よくみかけられたという。

 田子谷カッパ明神は水の神様ばかりではなく、縁結びの神として参詣する人が多かったといわれている。

参考 『岩出山町史』

   
   平泉の秀郷に仕えていたカッパ。なにやら裏がありそうな話ではある。実在した虎吉という人物を、田子谷の里の人がカッパと呼んだのだろうか。だとしたら、なぜカッパなのか?う〜ん。
 さて、そのカッパ明神を探して、農作業中のおじさんに「カッパ明神ってわかりますか?」と聞いても、なかなかいい返事が返ってこない。ところが、おじさんは「おかっぱ様っていうのならあるけど」と一言。まさしくそれではないか。文献上の名称なんて、現地の人には通じないものなんだなぁ、と痛感した。
 早速教えられたところへ行ってみると、ちゃんと説明板も立っているし、かわいい河童の石像もちょこんと座っている。
 しかし、神社の名前が「磯良神社」。「磯良神社」といえば色麻町の「おかっぱ様」が有名だが・・・。
 神社のまわりは、結構大きな沼。道路から100メートルくらいしか離れていないのだが、シーンと静まりかえっていて、とにかく不気味である。今にもカッパが出てきそう。今でもそうなんだから、きっと一昔前はそうとう怖い場所だったんだろうなぁ。
 

神社と池。

かっぱの像。ちょっとかわいすぎる?
   
  mapion
大崎市岩出山。たぶんこれ。何もない山道に突然あるので、注意。
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