ある時、藤助という者がこの淵で釣りをしていると、水底から「藤助…藤助…」と呼ぶ声がする。藤助が「何か用か」と答えると、再び淵の底から「おれはこの淵に長年住んでいる鰻だが、明日の晩、賢淵の蜘蛛が攻めてくるから、その時、決して声をたてないでくれ。声をたてられると、おれが負けてしまう。」といった。
あくる晩、果たして激しい合戦が始まったが、余りの恐ろしさに、藤助はたまげて「あっ」と叫んでしまった。そのため、鰻が負けてしまい、その首がものすごい形相で向こう岸から藤助を睨んだので、藤助は気が違って死んでしまったという。
参考 『仙台市史』