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行人塚    
 

 大昔、広瀬川は今と流れが違っていて、大水のたびに流域が変わるので住民の苦しみは一通りではなかった。その頃、近くに一人の行人が住んでいたが、村人たちを水害から救うという大本願を立て、人々が止めるのをふりきって人柱にたつことになった。行人は、「わしの振る鈴の音が、二十一日の間土中から聞こえてきたならば大願は成就されるであろう。」といって生き埋めになった。

 その日から人々は土中に竹のくしをさしこみ、涙ながらに鈴の音に耳を傾けていたが、日に日に弱くなりながらもついに二十一日の間続き、絶えた。

 その年の秋も大水があったが、その時に川の流れはすっかり変わり、それまで水害に苦しんだ村々は肥沃な土地になり、以降水害も無くなった。村人は行人の恩を永く忘れないように塚を築いて祀った。

参考 『仙台市史』、『宮城の伝説』(角川書店)

   
   人柱伝説としてそれなりに有名な伝説である。この行人塚、現在は古城神社という小さな神社のお堂の中にあって、まさかその中にあるとも思わず、とにかく1時間くらいウロウロ探した。結局魚屋のおじちゃんに聞いてわかったのだが、まいったまいった。どの資料にもそんなこと書いてないんだも〜ん(^^;。たぶんこの神社、そんなに古くないものだと思う。

 この周辺は今でこそ河原町という名前だが、実は行人塚という地名だった。この伝説から名づけられた名前だろうか。今でも高齢の方なら知っているが、だんだんと風化していくことは間違いない。行人塚の存在も、それと同時にマイナーになっていくのだろう。それを思うと、少し悲しいものである。
 

古城神社。
 


古城神社のお堂の中にある行人塚。
要するにご神体ということか?

   
  mapion
若林区河原町2丁目。マピオンの地図のこの鳥居がそれ。前の道は東へ一方通行である。
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