■お仮宮の化け石
東六番丁小学校のところは東照宮のお旅宮のあったところで、道端に有名な化石があった。この石に夜など腰をかけるととんでもない方向へ行くと言われていた。
ここは昔十字路になっていたが、ある夜更けに菊田治助という侍が通りかかると、雨夜なのに燃える松の木がたくさん散らばっているので、翌朝そのオキでも残っているかと思って通ってみると何も無かったという。
またあるときは喜兵衛という者が通ると高さ1丈ばかりの黒いものが道にふさがっているので、斬り捨てて翌朝行って見ると石を3寸ほど斬っていたといい、元禄の末ころまではその痕が残っていた。
参考 『仙台市史』
■お仮宮いろは狐
東照宮仮宮の場所は俗に御仮宮と呼ばれ空地になっていたが、雑草生い茂り杉木立高く、昼なお暗いものすごい場所であったので、自然狐狸の住処となった。
ここに丸型の大石があり、御仮宮の狐石と呼ばれていた。
通行人がこの石に小便でもかけようものなら、たちどころに狐に化かされて方角がわからなくなったり、泥田に入れられたりしたという。
またここにいろは狐と呼ばれた狐がいた。「いろは」の文字を染め抜いた粋な着物に「いろは」の印の入った提灯を下げた美しい女に化け、通行人を「いろ」仕掛けに化かしたものだという。
参考 『滅び行く伝説口碑を索ねて』(T15・富田広重・富田文庫)