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有耶無耶の関  
 

 昔から、笹谷峠は難所として知られている。峠には鬼が住んでいて、人を取って食らっていた。 しかし、峠の鳥が、鬼がいる時は「有耶」、いない時は「無耶」と鳴いて旅人に知らせてくれたのだという。 そこでこの辺りを「有耶無耶の関」と呼んだ。

 また、山形側ふもとの若松観音を「有耶の観音」、 仙台側の笹谷観音を「無耶の観音」といい、霊鳥はこれらの観音の化身だという。

参考『宮城県史』

   
   笹谷峠は、仙台〜山形の最短ルートなのだが、その難易度はトップクラスで、高速道路が通ったのを機に通行止めになってしまった。その笹谷峠の頂上、宮城と山形の県境のあたりは八丁平と呼ばれ、昔からの難所で、特に、冬に峠越えするのは至難の技で、死者も多かったという。 そして、その八丁平のあたりに、鬼が出たという「有耶無耶の関」というのがあり、現在、碑がたっているとのことで、行ってみることにした。 ちなみに、山形にはここの他に、秋田との境の鳥海山にも「有耶無耶の関」があり、関連の有無が興味深い。

 さて、この有耶無耶の関、地図上では宮城県側から行った方が近い気がするのだが、宮城県側から峠の頂上へ行くことはできない。山形側から行くしかないのである。
 笹谷ICから一区間、関沢ICですぐ降りて、早速峠へ。車がすれ違うのがやっとの細い道が、うねるようにくねくね曲がっている。ようやく県境に着くと、駐車場があって、 そこで道は通行止め。
 ここから「有耶無耶の関跡」までは、徒歩。しかも、行く人もほとんどいないのか、笹がうっそうと生い茂る、細い山道である。道の途中には、昔ここで息を絶ってしまった人々のために、地蔵が数体立っている。それにしてもうすきみわるい道である。
 知らず知らずのうちに早足になり、歩くこと10分。最後の方は道を笹が覆っていて、ほとんど歩ける状態ではなかったのだが、かきわけかきわけ、ようやく広い野原にでた。そして、そこには「有耶無耶の関跡」の碑が。ちょっとした感慨にひたりながら、写真をパチリ。そこを後にした。

 帰り道、道脇の藪の中から、不気味な唸り声がするのを聞いた。恐ろしくなって早足で立ち去ったのだが、はたしてあれは幻聴だったのか、それとも関に出たという鬼だったのか・・・。(ちなみに熊だったら普通に危険(笑)。)
 

笹の生い茂る山道。

有耶無耶の関跡の碑。
   
  mapion 【Google Maps】
宮城と山形の県境にある。駐車場から10分ほど歩く。もの寂しいところなので、複数で行くことをお薦めする。
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