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沼田城の人柱・その1

 元和の時代、新たに最上の地を領した戸沢家は、その中心となるべき居城を、沼田の地に建てることとした。が、沼田の地はもともと湿地帯であったので、堀とするべく土を盛ってもなかなか固まらなかった。
 そこである法印に占いをたててもらうと、「十三の人柱にたてよ。は黒牛に乗せて」とのことであった。
 戸沢の殿様はこれに従い、領内からひとりのを探し出し、牛にくくりつけて沈めると、工事はたちまちにしてはかどり、城ができあがったのだという。
 しかし、それからというもの、本丸のお池のあたりには夜な夜な少女のさまよう姿があらわれて、「水が欲しい、水が欲しい、のどが焼けるゥ」と泣き喚く声が聞こえ、当直の侍たちを怖がらせたのだという。

■沼田城の人柱・その2■

 江戸時代のこと、例年のこととして、大勢の足軽が、城の内堀の泥さらいをしていた。
 やがて日が暮れ、辺りが薄暗くなるころ、どこからともなく、笛太鼓の音が聞こえてきた。はじめは気にもとめなかったが、その音はだんだん大きくなってきて、しかもその音は足元の地面の下から聞こえてくる。「これは奇怪な」と足軽は役人に伝えたのだが、そのうちにザザーッと音がして、これまでにせっかく築き上げた土手が堀の底に沈んでしまったのだった。
 役人が言うには、昔城を築く際、老婆を牛に乗せて沼に沈めた。その後、お国に何か変わったことが起きるときには、必ずその牛に乗った老婆があらわれるのだという。土手が崩れるのはこれで三度目で、この前に崩れたときはの泣き声がした。しかし、このことは昔からの秘密であるから、決して口外してはならないとのことであった。

参考 『出羽の伝説』(角川書店)『山形県最上地方の伝説』(東北出版企画)


 新庄のかつての行政の中心、沼田城。そこの内堀につたわる恐ろしい話だ。少女と老婆の2説があるようだが、戸沢の殿様も、いけないことをしてしまった、ということなのだろうか。きっと祀れば鎮まっただろうに、なんで祀らなかったんだろう。城の中で言われてきた伝説なのではなくて、城下町の民衆に伝わっていた伝説なのかもしれない。
 水中に沈められたのに「水が欲しい」ってのも変な話のような気がする。
 さて、その内堀も、現在はきれいに整備されていて、噴水なんかもあって、釣りをしてる人もいたりして、市民の憩いの場になっているようである。戸沢家を祀る戸沢神社が、ひときわ重厚な様子で建っていた。真っ黒な鳥居が、武神っぽい。


沼田城の戸沢神社。

城跡の堀。

★関連伝説地★
★アクセス★

●人柱
●人柱
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 (宮城県迫町)

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新庄市堀端町の最上公園が城跡である。


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