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やあみんな! 妖怪入門「読む」のコーナーは、妖怪のとうじょうする古典作品を、むかしのままの言葉で読んでみて、その妖怪のもつもともとのフンイキを感じてみようというコーナーだよ。 第1回は、日本の物語の中でもいちばん古い『古事記(こじき)』の中から、「黄泉(よみ)の国」の場面だよ。 にげるイザナキに、それをおうヨモツシコメ。なかなかスリルのある場面だゾ。さてさて・・・。 (現代語訳のぶぶんは、カーソルをドラッグして反転させると読みやすくなるよ) |
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まだ日本が無かった天地はじまりのとき、高天原(たかまのはら)に伊邪那岐命(イザナキノミコト)と伊邪那美命(イザナミノミコト)のふうふの神が生まれた。 夫のイザナキは妻に会いたくて、死者が行くという黄泉(よみ)の国へ向ったが、妻イザナミは「わたしはもう黄泉の食べ物を食べてしまったので帰れないかもしれないのですが、わざわざ来てくれたのだから、黄泉の国の神とそうだんしてみます。ただし、その間にはぜったいに私の姿を見てはいけませんよ」と言って、御殿の中へ入っていった・・・。 ★ ★ ★ ★ ★ かく白(まを)しつその殿の内に還(かえ)り入りし間、 |
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さてここで、イザナキが火をともしてイザナミのすがたをのぞいていることから、ヨミの国がまっくらな世界であるということがわかるね。 そして、死んでヨミの国へ行ったイザナミのおそろしいすがたにちゅうもくしよう。体中にウジがわいてゴロゴロ音を立て、8人の雷神があちこちに生まれ出ている。なかなか想像しずらいすがただが、とにかく、この世のものとは思えないものであることはまちがいない。ゾゾッ。 |
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| ここに伊邪那岐命(いざなきのみこと)見畏(みかしこ)みて逃げ還ります時、 イザナキがそれを見ておそろしくなってにげ帰るとき、 その妹(いも)伊邪那美命(いざなみのみこと)、 その妻のイザナミは、 「吾(あ)に辱(はぢ)見せつ」と言ひて、即ちよもつしこめを遣して追はしめき。 「私にはじをかかせたな」と言って、すぐにヨモツシコメをよびよせてイザナキをおいかけさせた。 ここに伊邪那岐命、黒御縵(くろみかづら)を取りて投げ棄(す)つる、すなはち蒲子(えびかづらのみ)生りき。 そこでイザナキはかみの毛につけていたかづらをとってなげすてると、 たちまちに山ぶどうの実がなった。 こをひりひ食(は)む間に逃げ行く。 これをヨモツシコメがひろって食べている間にイザナキはにげた。 なほ追ひしかば、またその右の御みづらに剌せるゆつつま櫛(くし)を引きかきて投げ棄つる、すなはち笋(たかむな)生りき。 さらにおいかけてきたので、イザナキは右の髪につけていた爪櫛をなげすてると、たちまちタケノコがはえてきた。 こを抜き食む間に逃げ行きき。 これをヨモツシコメがぬいて食べている間にイザナキはにげた。 |
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いよいよ、妖怪の歴史の中でももっとも古いもののひとつ、「ヨモツシコメ」の登場である。ヨモツシコメはイザナミの命令でイザナキをおいかけるが、イザナキが生んだ山ぶどうやタケノコを食べている間ににげられるというちょっとマヌケなところもある。 ふしぎな力を使いながら魔物からにげるという話はその後も「オニババ」の話などにうけつがれ、現代の妖怪「口さけ女」も、にげる時にべっこうあめをなげると良いというのはこのパターンだね。なるほど、人間の考えることは1000年以上も前からたいして変わらない、ということかもしれない。 |
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★ ★ ★ ★ ★ ・・・その後、最後にイザナミがおいかけてきたので、イザナキは巨大な千引石(ちびきいし)を坂においた。 イザナミはわかれの言葉として、「わたしはあなたの国の人々を、1日に1000人ころしましょう」と言った。するとイザナキは、「それでは私は1日に1500人が生まれるようにしよう」と言ったのだという。 |
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どうだった?日本の妖怪のれきしの中でもいちばん古いモノのひとつ、ヨモツシコメ。 そこに現代の妖怪口さけ女につながるヒントがかくされているなんて、オドロキだよね。 みんなも、妖怪の出てくる古典をみつけたら教えてね。このコーナーでしょうかいするよ。 (本文は講談社学術文庫『古事記(上)』によりました。) |
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