| さらかぞえ(皿数え) |

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井戸からあらわれて、かなしそうな声で皿を数える妖怪。「1まい、2まい、3まい・・・」と数えるのだが、さいごに「1まいたりない・・・」といってなきさけぶのだという。 これは、そのむかし、ご主人様のだいじな皿をまちがって1まいわってしまった女のゆうれいなのである。 <妖怪情報より> ・本当は家老が家をのっとろうとしていたことを知って しまったお菊は、家の人に伝えて 危機を救ったが、それを恨んだある人が皿を隠し、お菊を井戸の落とし た。(すねこすり) ・お菊と、呼ばれている。番町皿屋敷に住んでるらしい(クロ〜ス) ・お菊は、ある男の妻でした。
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◆ものがたり◆ |
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※ 少しざんこくでこわいお話です。 むかしむかし、江戸時代(えどじだい)のお話。 江戸(※1)の番町にというところに、青山主繕(あおやましゅぜん)という、それはそれはごうまんで、自分かってなさむらいが住んでいました。 そして、青山のおやしきには、お菊(おきく)という少女が、めしつかいとしてはたらいていました。青山はお菊が気に入らず、毎日のように、お菊にいやがらせをしていたのでした。 ★ ★ ★ ある日のことです。青山は、とても高いねだんで手に入れた、美しい10まいの皿がお気に入りで、それをつかって食事をとっていました。そして、いつものように食事はおわり、お菊はそのあとかたづけをしていました。 「これはご主人さまの大事なお皿。ていねいにあつかわなければ・・・。」 しかし・・・ 「アッ!!」「ガシャーン!!」 どうしたことでしょう。お菊はいつもよりていねいにお皿をかたづけていたはずなのに、お皿が1まい、手からすべり落ち、われてしまったのです! 「ど、どうしましょう・・・」 その時、お皿のわれた音にビックリした青山がやってきました。そして、われた皿を見ておどろき、いかりくるいました。 「バカヤロウ!!お前は、おれさまの大事な大事な皿を、1まいわりやがって!!よくもやってくれたな!!」 「ご主人さま!おゆるしください!わざとではないのです!おゆるしください!」 「うるさい!!だまれ!!」 そして、なんと、青山は最後にお菊を井戸の中におとしてしまったのでした。かわいそうなお菊は、井戸の中で、かなしみながら死んでしまいました。 ★ ★ ★ 次の日、青山はなにくわぬ顔で、いつもどおりのせいかつをつづけていました。 その夜。青山がねむりにつこうとすると、どこからともなく女の声がきこえてきました。 「1まい・・・2まい・・・3まい・・・」 「なんだなんだ?」 「4まい・・・5まい・・・6まい・・・」 声は、井戸のほうからきこえてくるようでした。青山は少しおそろしくなってきました。 「7まい・・・8まい・・・9まい・・・」 青山が井戸のほうを見てみると、なんと、そこにはきのう井戸に落ちて死んだはずの、お菊のゆうれいがいて、お皿を数えているではありませんか! 「アァーッ!! 1まいたりない・・・」 「ギャーッ!!でたーっ!!!」 「1まい・・・2まい・・・3まい・・・」 「わーっ!!お菊ゆるしてくれ!!ワシがわるかった!!ゆるしてくれーっ!!」 ★ ★ ★ その後、青山のおやしきはだれも住まなくなってしまいました。そしてお菊のゆうれいの話は、町のひょうばんになりました。 あるとき、そのゆうれいのうわさを聞いて、一人のおぼうさんがやってきました。 「そのゆうれいは、かなしいできごとがあったので、じょうぶつできないでいるのだろう。ワシがじょうぶつさせてあげよう。」 夜になり、おぼうさんは、ゆうれいが出るという井戸の前で、おきょうをとなえはじめました。 すると、お菊のゆうれいが、井戸の中からあらわれました。 「1まい・・・2まい・・・3まい・・・4まい・・・5まい・・・」 「6まい・・・7まい・・・8まい・・・9まい・・・」 それを見たおぼうさんは、とっさにさけびました。 そのときです。お菊の顔が、かなしそうな顔から、うれしそうな顔にかわりました。 「おぼうさま、ありがとうございました・・・。これでわたしもじょうぶつできます・・・。」 ★ ★ ★ それからというもの、青山のおやしきにお菊のゆうれいはあらわれなくなりました。人々は、かわいそうなお菊をあわれんで、みんなでおまいりをしたということです。
(※1)江戸・・・今の東京都。 |