なんそのぼう(南祖坊)


 
 

 青森県の十和田湖にすむというぬし。

 ちいさいころからとてもかしこいこどもだったなんそのぼうは、日本中のお寺でしゅぎょうをつづけていた。

 そんなある日、かんのんさまがゆめにあらわれ、「わらじのヒモがきれたばしょが、お前のすむべきところだ」とおそわったなんそのぼうは、旅に出ることにした。

 そして、あちこちをくまなく旅し、最後に十和田湖へやってきたとき、わらじのヒモがついにきれた。そこがなんそのぼうのすむべきところだったのである。しかし、十和田湖には、ぬしのはちろうたろうがいた。

 はちろうたろうは、じぶんのすみかをうばわれたくないため、おそいかかってきた。なんそのぼうもかんのんさまに力をかりて戦いにいどんだ。

 はげしい戦いが続いたが、最後に勝ったのはなんそのぼうであった。はちろうたろうはにげだし、なんそのぼうはかんのんさまにいわれたとおり、十和田湖のあたらしいぬしとなって、げんざいでも人々にしんこうされているという。


流石兄作

 
 

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