はんにゃ(般若)


 
 

 人間ならだれしも、心の中に「」を持っているのではないだろうか。お店に入ってまんびきしたくなったり、友だちがテストでいい点をとったのをうらめしく思ったり、きらいな食べ物をこっそりゴミバコへすてようとしたり・・・。

 ふつうの人は「それはいけないことだ」と考えなおすことができるので、しっかりとした生活ができるのだが、あまりにもウラミが強い場合や、心が弱い人だった場合、自分の気持ちが心の中の「」に負けて、外見までにへんげしてしまうことがある。

 はんにゃとは、まさに心の中を悪にのっとられて、鬼になってしまった女性のすがたである。

 好きな人がウワキをしていたのを知ってはんにゃになってしまったり、好きな人がにげるのをおいかけていってはんにゃになってしまったり、昔から女性がはんにゃになった例というのはとても多い。

 これは、女の人の方があいてを思う気持ちが強いということなのだろうか。男と女のかんけいというのは、昔も今もムズかしいものである。

<妖怪情報より>
・この妖怪の本当の名前は鬼女(きじょ)です。 般若坊という人が作った鬼女の能面なので、通称「般若の面」と言われてます。(妖怪の中の人)
・家にはんにゃのお面を飾ると、いたずらしにきた妖怪は、はんにゃにびっくりして逃げていくんだって。だからはんにゃは守り神でもあるから、恐い顔だけどありがたいんだよっておばあちゃんがいってた! (さき)


ねためる女の鬼となりしを般若面といふ事は、葵の上の謡に、六条のみやす所の怨霊行者の経を読誦するをききて、あらおそろしのはんにや声やといへるより転じて、かくは称せしにや。(『今昔画図続百鬼』より)


ひぢき作


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