かさねがふち(累ヶ淵)


 
 

 累ヶ淵のかいだんは、今の茨城県水海道市をぶたいとした、本当にあったゆうれい事件をもとにした物語である。

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 むかし、村に累(るい・かさね)というみにくい女がいた。顔もみにくかったが、性格も悪く、だれも相手にしていなかった。
 そんなにも与右衛門(よえもん)という夫ができた。与右衛門はびんぼうな男で、しかたなく夫になったのだが、だんだんとイヤケがさして、とうとうを川にしずめてころし、田畑を自分のものにしてしまったのであった。

 それから20年がすぎた。与右衛門は6回も妻をもらったが、みんなすぐに死んでしまった。ただ、さいごの妻との間に、という女の子ができていた。

 ところがあるとき、そのがとつぜんくるってあばれだした。これはどうしたことかと村人が集まってみると、は「わたしはである」と話しだしたのである。
  最初は信じなかった村人だが、そんなことが何度もつづいて、とうとうおそろしくなって、祐天(ゆうてん)というおぼうさんの力をかりて、の霊をじょうぶつさせたのだった。

 それで事件はおさまったかと思ったが、なぜかまたがくるいだした。今度は何事かと祐天が来てみると、にとりついていたのは「すけ」という男の子の霊であった。すけの兄であり、あまりにみにくい子であったので、こっそりと父にころされたというのである。

 つまり、がみにくく生まれたのも、すべてはこのすけの事件からはじまっていたのである。

 村人は、と同じようにすけの霊もあつくとむらい、事件はかいけつしたのであった・・・。

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 これは、悪いことには必ずその原因があるという、因縁(いんねん)をえがいたおそろしい話である。キミたちが悪いことをすると、そのむくいがかならずやってくる。キミたちにやってこなくても、キミたちの子供にやってくるかもしれないし、まごにやってくるかもしれない。なんともおそろしいことである。


いろは狐作

 
 

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