とうないきつね(藤内狐) |

このキツネは、鳥取県米子市にある戸上山にすんでいたという、いたずらキツネである。 この地方ではとても有名なキツネで、人々にいろいろないたずらをしてこまらせていたが、ある時、1人のわかものがこれをこらしめてやろうと、このキツネをぎゃくにだましておしりに火をつけた。 藤内キツネは、今では戸上山に保食(ほしょく)神社としてまつられている。人々には「藤内さん」と呼ばれ、親しまれているのである。近くへ行ったら、ぜひおまいりしていこう。 ・・・ちなみに、もしこの藤内さんへ行くことがあったら、ぜひばけばけくらぶに写真を送ってね。 |
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◆ものがたり◆ |
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とんとむかしがあったげなわい。 戸上に藤内キツネというわるいキツネさんがいて、ここらあたりのひゃくしょうさんをいじめていました。これをなんとかしてこらしめようと村の若いもんが集まって話していたところ、一人の若者が、 「ほんならわしにまかせろ。馬1頭となわを用意して、イロリに火ばし(※1)をかんかんにやいておいてくれ」 と言いました。みんなはそれにしたがって、その夜、若者は馬となわをもって出かけていきました。 ★ ★ ★ 若者はだいぶん歩いて、キツネが出そうなところまできました。 「ばばさーん、むかえにきたでぇー」 若者はさけびました。するとどうでしょう。「ほーい」とへんじがしました。行ってみると、1人のおばあさんがこちらへ近づいてきました。 「おお、むかえにきてくれたか」とばあさんが言ったので、 「ばあさんがおそいからむかえにきたんだ。もうおそいから、この馬に乗ってくれ」と若者がこたえると、 「ああ、ほんなら、せっかくだから乗らしてもらうかい」と馬に乗りました。 「落ちたらあぶないけん、しっかりしばらないけん」と、若者はすぐになわでキツネのばあさんをぐるぐるに馬にまきつけました。 「そんなにしばらなくてもいいわ、落ちいへん」とばあさんは言いましたが、若者はそのまま馬をつれて村へむかいました。 ★ ★ ★ 村が近づくにつれ、だんだんキツネのばあさんは不安になってきたのでしょう。 「しょんべんがしたくなった、おろしてくれ、おろしてくれー」と若者に言いましたが、 「なーにこのキツネめ。今日はえらい目にあわしてやる」と村へいそぎ、みんなの前にキツネをつれだしました。そして、 「さあ連れてもどったぞー。火ばしは用意してあるか」と言うので、村のみんなはキツネを馬からひきずりおろして、タンペ(おしり)に火ばしをべーたべーたくっつけて、こらしめました。 「よし、あんまりやるとキツネのことだ、何をするかわからないから、このぐらいで放してやるか」と言って、ようやくキツネを放すと、キツネはいちもくさんに山のほうへにげていきました。 とちゅうで、あんまりタンペがあついものだから、川にタンペをつけてひやしました。そうしたらそのヤケドがなおったので、今でもその川を「尻焼き川」と言うそうです。 そのむかしこんぽち。
(※1)火ばし・・・イロリの炭などをいじるときに使う鉄の長いおはし。 |